着物買取は中古市場で最も多いトラブルの一つです。
「貴金属も売れと強要された」「キャンセルできなかった」など、「トラブルの原因が買取業者にあるもの」は知識を付ければ対策が可能です。
悪徳業者の手口は、根本的には昔からほぼ変わっていません。今回の記事で分かりやすく解説するので勉強していって下さい。
しかし「高く売れなかった」「買い叩かれた」みたいな「着物の価値によって評価が分かれるもの」は、自分で納得できるラインを定める必要があります。
近年は「着物の高額買取なんてありません」とアナウンスされるほど着物の価値は右肩下がりです。
「価値のある着物」は存在しますが、「着物＝高級＝高価買取」と認識していると「トラブルを起こす側」になってしまう危険性があるので、情報をアップデートしましょう。
また着物買取は性質上「出張買取（訪問購入）」を依頼するケースが多いと思いますが、自宅に招いての買取は「クーリング・オフ」が適用されます。別記事も併せてご覧下さい。
着物買取のトラブルと対策
まず最初に「着物買取トラブル」の事例を５つ紹介します。
- 押し買い
- 抱き合わせ買取
- 買い叩き
- キャンセル不可
- 返却トラブル
こられは、悪質業者が「詐欺まがいの行為」で着物を買取するやり口です。昔から聞くものばかりですが、令和の現在でもこのような詐欺買取は存在するので注意しましょう。
対策方法も含めて詳しく解説していきます。
トラブル①アポなし出張買取「押し買い」
着物買取トラブルNo.1は「押し買い」です。
「押し買い」とは、約束をしていないのに「不用品を買取するで」と訪問してきて、あれもこれも買取してくることです。
「タンスの肥やしになっている着物をお金に換えますよ？」「貴金属もあるでしょ？」と、ぐいぐい押してきます。
簡単に言うなら「押し売りの買取バージョン」です。アポなしの訪問購入は「特定商取引法」で禁止されているので、まともな業者ではありません。100％トラブルになります。
「いやいや知らない人を家に入れないでしょ」と思うかもしれませんが、別の手口として「エアコンの取付け業者を呼んだつもりが、実は押し買い業者だった」という詐欺もあります。
このような悪質な業者はクーリング・オフに応じるわけもなく、淡々と次のカモを探していますが、いずれにせよ対策方法は「知らない人を家に入れるな。自分が招いた業者だととしても貴重品や価値のありそうな貴金属、骨董品は隠せ」です。
トラブル②着物以外が目当ての「抱き合わせ買取」
着物買取トラブルで次に多いのが「抱き合わせ買取」です。
これも「抱き合わせ販売」の買取バージョンで、「着物の他にも買取しますよ？例えば貴金属とかありますよね？」と、買取品の追加を促す行為が「抱き合わせ買取」と呼ばれています。
着物の買取で査定を依頼したのに着物に目も向けず「他に買取するものは無いの？本当はあるでしょ？」と、着物以外が目的の業者が後を絶ちません。
出張買取であれば、目的以外の買取の勧誘（抱き合わせ買取）は特定商取引法違反、つまり違法行為になります。
どんなに優良な買取業者でも「他に不用品があれば一緒に査定しますよ？」と聞いてくるものではありますが、厳密には日常会話風に聞いてもアウトです。
抱き合わせ買取の対策は、訪問してきた最初の時点で「査定のお願いは着物だけです」と釘をさしておくことです。
トラブル③着物の買取額が安い「買い叩き」
ある意味一番深刻な問題が「買い叩きトラブル」です。
着物買取は「査定安すぎ」「無料なら引き取ると言われた」などの恨み節が口コミサイトでよく見かけます。
冒頭でも書きましたが着物の価値は右肩下がりなので「安い査定額が適正価格」な可能性は大いにありますが、その「着物の需要は減っている」を理由に安く買い叩く業者がいるのも事実です。
他にも「シミが」「臭いが」「痛みが」と難癖を付けてきますが、本当のことを言っている可能性もありますが「理不尽」と感じたのであれば「買い叩き」に合っています。
悪い業者に出会ってしまうと「買い叩き」からの「抱き合わせ買取」のコンボで人間不信に陥ってしまうので、まず「買取業者選び」を慎重に行うと良いでしょう。
「着物の相場が分からない」という人はちょっと手間がかかりますが「査定を複数の業者にお願いする」がおすすめです。
トラブル④着物が返却されない「キャンセル不可」
査定をお願いしたものの、買取のキャンセルができない、または高額なキャンセル料がかかる業者があります。
出張買取であればクーリング・オフ対象なので「8日以内なら無条件でキャンセル可能」ですが、宅配買取を利用したがキャンセルできず着物が返却されない、というトラブルもあるそうです。
いずれにせよ「公式サイトを確認する、または依頼する前に聞くこと」を忘れてはいけません。
トラブル⑤汚れて戻ってきた「返却トラブル」
「キャンセル不可」に続いて、宅配買取を利用してキャンセルできたが「着物が汚れて却ってきた」というトラブルもあるそうです。
意図しないトラブルですが、「腕時計を店頭に持参したら査定中に傷を付けられた」という話もあるので、できれば目の前で査定してもらいたいところですが、「宅配買取」はそうもいきません。
宅配買取を依頼する時は「送る前の状態を写真に撮って残しておく」とトラブルになった際に役に立ちます。
着物買取トラブルと対策方法のまとめ
着物買取トラブル5つの事例と対策方法を解説しました。
基本的に「警戒」していればトラブルは回避できるものですが、悪質業者は高齢者を狙って「押し買い」「抱き合わせ買取」「叩き買い」を行うので、令和に入った現在でも被害に合う人はいるそうです。
しかし、繰り返しますが「着物の価値は右肩下がり」です。
海外進出や着物レンタルなど一部の企業は売り上げを伸ばしているようですが、着物業界自体は需要が激減しています。
1980年には1兆8000億円あった着物市場は2600億円にまで落ち込みました。参考までに「納豆市場は3000億円」なので、着物は腐った大豆にボロ負けしている状況です。
着物市場が衰退した理由は「和服より洋服の方がいいよね」という極めてシンプルなものですが、着物業界が「ならば高級路線で」と単価を上げる方向に舵を切りました。
当然のことながら、お金持ちだけで支えきれる業界ではないので、「所得が多くない層にも高級着物を買わせる」ことになるのですが、結構強引なやり方で営業していたため「着物は購入する時にもトラブルが多い」という闇の深い業界です。
着付け教室を申し込みしたら展示会に誘われ、買いたくもない高級着物をローンで買わされた。という「展示会商法」はよく聞く話です。
「高級着物」と言えば価値がありそうですが、知識の浅い一般人にぼったくり価格で販売している業者も少なくないので、「買った値段の10分の1以下の買取額」は当たり前にあります。
着物買取は「買い叩き」なのか「購入価格がぼったくり」なのか、着物業界がカオスなので判断が難しいところです。
やはりベターな方法は「着物買取は複数の業者に査定を依頼する」でしょうか。一番高い査定額を出したところに売りたいところですが、「着物の価値が判明する」ことが利点です。
着物は購入も売却もご注意下さいね。というお話でした。
着物買取で口コミの評価が良いお店
別の記事では「着物買取」で評判の良いお店を都道府県別にまとめています。参考にして下さい。
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